上場時の資本構成から当該事業の特徴や資本政策の考え方について分析、考察の第二回目となります。今回は上場時国内子会社5社、海外子会社23社で20の国と地域に事業展開している㈱モンスターラボホールディングス(以後、モンラボ社という)について見ていきます。
なお前回同様、過去の情報や売上等の数値情報を見ずに資本構成のみでどこまで会社の状況を把握することができるか分析していきたいと思います。
事業の概要
まずは会社の事業の概要です。
モンラボ社は、2006年2月創業、2023年3月28日にグロース上場されています。 事業内容は、大企業や自治体に対するデジタルトランスフォーメーションを支援するデジタルコンサルティング事業を主軸として、その他プロダクト事業もおこなっています。 なお、2011年以降積極的に海外展開を行っています。その結果、上記に記載しているように多くの子会社を保有しています。
資本構成
次に上場時の資本構成です。下記にⅠの部の「株主の状況」について表形式でまとめました。

上記株主構成から以下の特徴があると言えます。
1.外部の株主が顕在株の74.8%を保有している。
これは、グロース上場企業の平均と比較すると、多くの持ち分を外部株主が保有している状況と言えます。これは資本政策として事業展開に複数回の資金調達を活用した可能性が高いです。また、海外の投資家も名を連ねていることから、海外展開に関連した資金調達を実施していた可能性が高いと考えられます。 なお、代表取締役社長等の持ち分が19.3%と3分の1を下回っていることから、会社の重要な意思決定には大株主の意向が影響していたことが考えられます。 上場時に多くの株式が売り出されたことも、外部株主の意向が働いた可能性が考えられます。
2.取締役より従業員が多くの株式を保有している。
一般的には取締役やCXOが生株を保有し、従業員にはSOを付与する企業が多いが、モンラボ社では取締役の保有株割合はSO含めて0.3%で従業員全体では5.2%のSOを含む株式を保有している。これは「株主の状況」を見ると、主には子会社の役員に対して付与しているため、実質的にはモンラボ社内のマネジメント層への付与と考えられます。
3.SO発行割合は10.3%。
グロース上場企業の平均は8%超のため、平均よりは多いSO発行量ですが、多すぎる割合でもないため、平均に近い付与割合かと思います。また持株会も株式を保有しているため、従業員に対するインセンティブ及び福利厚生としてこの2つを活用しています。
以上から、モンラボ社は事業展開に資本政策を活用して、事業成長してきたことが見て取れます。
そのため上場後は当該事業展開の成果が問われることになるかと思いますが、2023年8月14日の第2四半期決算説明では2023年度の業績を下方修正することなり、株価も上場時の3割未満で推移しています。
今後上場を目指される皆様にとっても事業成長を考えるうえで、資本政策も重要なポイントとなってきますので、事業とファイナンスの両面から成長ストーリーを描いていってください。
今後も他のビジネスモデルにおける資本政策について考察していきたいと思います。
以 上
